こんな蕎麦があったのか!ボクはかなりの蕎麦好きなのですが、まだまだ知らない世界があるようです。
ちょっと前にTVなどで見てチェックを入れておいた蕎麦屋、圓珠(えんじゅ)へ行ってきました。名古屋は地下鉄伏見駅6番出口から徒歩2分程度、まさに御園座のすぐ近くなのです。
お店の前に着いてみてビックリ!間口は狭いのですが、ちょっと敷居の高さを感じる入り口は古風な料亭の雰囲気で一人では入りにくそう。ひょっとしたら蕎麦一杯で数千円もするボッタクリ蕎麦屋では?エライ処へ来ちゃったかなぁと思いつつも、それでもせっかくここを目的にきたのだから勇気を振り絞って恐る恐る店内へ。
しかし思いとは逆に店員さんが気さくでホッとするやいなや、まずここのお薦めを聞きそれを注文。画像中段は国産蕎麦の石臼挽きざるそばです。一般的に手打ち蕎麦の盛りは少な目なのですが、ここのは違ってけっこうな量で600円。しかも何と!大盛り(普通盛りの2倍)でも値段は変わらないのだそうです。
石臼挽きざる蕎麦の味は・・・まずはいつものように蕎麦だけを口にします。その瞬間、蕎麦の香りが鼻を通り抜け、歯ごたえや舌触りもボク好み、まさに良い仕事をしてますね~たった一口でわかりました。汁は甘さを控えたものだと思いきや、少し甘さが残る一般的なもの。でも蕎麦自体は絶対に旨い!
わざわざ来たのだからもう一杯(笑)画像下段はこの店自慢の「昼夜蕎麦」です。昼夜と名がついてるのは、黒い蕎麦の生地と白い蕎麦の生地を合わせて、それを延ばして麺線にすると片方が黒、片方が白になり、その色を昼と夜に例えているのですね。
蕎麦は先にも書いたように、実の外側は黒っぽく香りが強いのですが、内側は真っ白で香りは弱いものの甘みがあります。一般的にそれらをブレンドして独自性を持つ蕎麦粉にするのですが、圓珠は白黒の蕎麦粉をそれぞれ別に打ち、それを合わせてから麺線にしているのです。だから画像をよく見ると白い部分と黒い部分が見えますよね。
昼夜蕎麦、せっかくなので鴨だしで食べてみました。蕎麦自体は先の石臼挽きより香りは弱いものの、歯ごたえは同じ。これも良い仕事してますね~ 汁の方はというと、鴨肉が4切れと、鴨のつみれが2つ。そのつみれがまた旨いこと!蕎麦のことをつい忘れてしまうほど(笑)良いダシが出ていましたよ。そのかわり値段も1900円とちょっとお高いですがw
蕎麦好きのボクにとっては、まさに至福のとき。しかし気になるのが石臼挽き蕎麦の値段600円。普通なら盛りが少ないのが当たり前だし、絶対にこんな価格ではやれません。しかも大盛りでも同じ値段。疑問なので、そこんとこを店員さんにさりげなく聞いてみたところ「ここのオーナーさんは蕎麦好きが高じて儲け度外視の趣味でやってるんですよ。だから常連さんは大盛りを食べるんですよ」と答えてくれました。趣味でやってるにしてはずいぶん凝った蕎麦と店構えだなあ。まぁそれが本物の趣味なのかもしれませんけどね(笑)
とにかく最近にないボクとしての高評価。気合いを入れ過ぎたパツパツの気持ちでやるより、趣味のように少し遊び心を取り入れた方が何事も良いのかもしれませんね。勉強になりましたm(_ _)m