名鉄神宮前駅から電車で約25分。半田市の古窯庵に行ってきました。名鉄知多半田駅から徒歩で約10分。静かな街の通りに並ぶ古民家風の蕎麦屋さんです。半田市は昔から醸造が盛んで市内所々に醸造会社の跡があり、おそらくここも古い醸造屋をリフォームしたのだと思われます。
中へ入ると、想像通りのレトロ感。これがまた落ち着いたイイ雰囲気なんだなぁ~ 座敷オンリーで、靴を脱いで上がると1階はやや照明を落とした3つの部屋に分かれており、5テーブルは並ぶはずのスペースなのに3テーブルしか置いてありません。余計な人数は入れないという拘りがあるのかなと感じました。
蕎麦はもちろん国産、しかも福井県産を使用しているそうで挽きたて、打ちたて、茹でたての「三たて」に拘っており、これは蕎麦の基本なのですが、それでもなかなか出来ることではありません。又蕎麦粉も2種類に挽き分け、蕎麦の実の中ほどの白い部分と外側の黒い部分+殻が入った粉とがあります。
画像左下は「名古屋コーチンせいろ」。蕎麦の種類は実の中ほどを使っているので白っぽい麺線になっており香りは少ないのですが、そのぶん蕎麦の甘味があります。それを熱々の汁につけて食べると名古屋コーチンの上品な脂の甘味が蕎麦を引き立てるのです。どうせ汁の味や香りが蕎麦に勝ってしまうので、あえて香りの少ない方の粉にしているのでしょうね。
画像真中は、右側半分の黒っぽいのが蕎麦の実の外側+殻が入った、いわゆる挽きぐるみです。白っぽい蕎麦とはちがい、香りが強くて粗挽きのため舌触りがざらざらしますが、そこがまたイイ!ボクはこちらが好みかな。
汁は、鰹風味より醤油味が勝ったもの。蕎麦はもともと香りを楽しむものなので、しかも蕎麦粉の割合が多ければ多いほど醤油風味を勝たせて鰹風味を抑えるのです。逆に蕎麦粉の割合が少ないものは鰹風味が勝った甘めな汁が一般的に合います。
古窯庵は常滑市にもありますが、どちらもここ数年大変評判が良いです。飲食店はまず美味しいのが大前提ですが、ここは確かに仕事も接客も丁寧だし、かといって窮屈ではないし、古い建物を上手に利用しています。アイデアを活かせばまだまだチャンスはあるんだなと改めて知らされました。
値段はやや高目ですが、上手に商売をやっている一店。勉強になりますわm(_ _)m